~「憧れ」のイギリスとは真逆の、ロンドン暮らしの始まり~

 

1990年代後半に2年間暮らしたロンドンでの生活体験が、その後の人生観を決定づけました。それは今の当店の在り方にも反映させ続けているつもりです。

 

10代終わりの頃からイギリスの音楽やファッションに興味を抱いていた私は、一度はイギリスで暮らしてみたいという想いから、縁あって渡英する幸運をつかみ、大学卒業後の1998年春に東部・レイトンストーンという街で、ロンドンでの暮らしをスタートしました。

 

そこで待っていたのは、それまで抱いていた、学生時代に一週間の旅行で触れた「オシャレな」ロンドンとは程遠い光景。そこは煌びやかさとは無縁で、今まで目にしたことがない人たちが住む街でした。

 

イギリス人といえば真っ先に浮かぶ、ポール・スミスやジョン・スメドレーなどの服を身に着けた『イギリス人的な』人などどこにもいない。男性は割と薄汚れた服を着て、女性の身なりも決してオシャレとは言えず。

 

の場所で彼等と同じくらい多く見かけたのが、全く耳に馴染まない英語の話し方をする黒人(トリニダード・トバゴやジャマイカなどをルーツに持つイギリス人)や、それ以上に何を喋っているのかわからないアラブ系の顔をした人たち(トルコ人や、バングラディシュ、パキスタンからの移民)さらには、全身黒づくめで山高帽に丸眼鏡、あごひげを長く伸ばしている人々(ハシディックと呼ばれる、敬虔なユダヤ教徒の人々)など・・・

 

カッコ内に補足したことはその後住み慣れてから段々と解ってきたことですが、最初は思い描いていたイメージと全く違う人々にしか出会わない日々。日本人に会うことはほとんどありませんでした。

 

戸惑いだらけのスタートでしたが、その一方で、今までにない経験、これまでと違った世界観が目の前に待っているではという、ワクワクとした思いも感じていました